2015年3月8日日曜日

book310 『M1(エム・ワン)』 (2000) 池井戸潤

改題 『架空通貨』 (2003)



【概要】                    

街は暗黒の企業に呑み込まれた!

女子高生・麻紀の父が経営する会社が破綻した――。かつて商社マンだった社会科教師の辛島は、その真相を確かめるべく麻紀とともに動き出した。やがて、2人がたどり着いたのは、「円」以上に力を持った闇のカネによって、人や企業、銀行までもが支配された街だった。

【読むきっかけ&目的&感想】               

『架空通貨』という改題後のタイトルに興味を惹かれて読んでみた。

さくら好み ★★★


いぜん友人に借りて、半沢直樹シリーズ(2004-)、『金融探偵(2004)』、『空飛ぶタイヤ(2006)』、『民王(2010)』、『下町ロケット(2010)』だけは読んでいる。個人的には『空飛ぶ・・・』が一番面白かったのでWOWOWドラマも見た。

『M1』は、主人公の高校教師が元銀行マンとしての知識を生かしながら女子高生の窮地に力を貸すというあり得ない設定で、最初はオイオイと思いながら読んでいたが、専門的な金融知識とリアリティのある町の風景描写が生きていて、枠組みありきの強引な展開を気にすることなく最後まで一気に面白く読むことが出来た。本作が小説2作目らしいのだが、その後に続く池井戸作品らしい中核があって、それも興味深かった。

私は何年か前に”日本のシンドラー”と呼ばれる杉原千畝の記念館へ行った事があるのだが、それが作者の故郷である岐阜県八百津町にある。その町がこの小説の舞台になっているようで、、、といってもこの町は小説にあるような企業城下町ではないので、ちょっとした描写に使われているにすぎないのだが、蘇水峡、軌道道などをそのまま使っているので、その風景を思い出しながらこの本を読んだ。

・M1とは

現金通貨と預金通貨を合計し、そこから調査対象金融機関保有の小切手・手形を差し引いたもの。 wikiマネーサプライ - 統計の種類 - M1 から

・蘇水峡橋 Google ストリートビュー



・軌道道 八百津駅跡 Google ストリートビュー

下画面中央に「八百津駅跡」という小さな石碑があり、線路の一部分が移設されているのを見ることが出来る。小説の中にあったように、この付近に線路があったなんて言われなければ分からない(笑)。